「これで安心だね。」
その一言を聞いた時、私たちはようやく心の中のつかえが取れました。
コタロウが旅立ってから初めて、穏やかな気持ちで笑うことができたのです。
最終話 家族だから、最後まで一緒に。
休日の朝。
私たちは、ペットと一緒に眠れる樹木葬を見学しました。
園内は季節の花が咲き、やさしい風が吹いています。
私たちは、これまでのことを担当の方へお話ししました。
「十五年以上、一緒に暮らした柴犬なんです。」
「子どもが巣立ってからも、ずっと私たちのそばにいてくれました。」
担当の方は静かにうなずきながら話を聞いてくださいました。
そして、こんな言葉をかけてくださいました。
「最近は、『ペット』ではなく『家族』として考えられる方が本当に増えています。」
その一言を聞いて、妻の目に涙が浮かびました。
「そうなんです。」
「私たちにとっては、家族なんです。」
担当の方は優しく微笑みながら続けました。
「だからこそ、最後まで一緒にいたいというお気持ちは、とても自然なことだと思います。」
私は園内を見渡しました。
明るい陽射し。
四季折々の花々。
穏やかな空気。
ここなら、コタロウも気持ちよく眠れる気がしました。
妻が私に聞きました。
「ここなら、安心かな。」
私はゆっくりとうなずきました。
「うん。
ここなら、また会いに来られる。」
妻は少し笑って言いました。
「最後まで、一緒だね。」
私は祭壇に飾ってあるコタロウの写真を思い浮かべました。
あの日、ペットショップで出会った小さな命。
子どもたちと走り回った庭。
毎日の散歩。
たくさんの思い出。
そのすべてが、私たち家族の宝物です。
私は心の中でコタロウに話しかけました。
「ありがとう。
また、みんな一緒だよ。」
その日、私たちはお墓を選んだのではありません。
家族が安心して眠れる場所を見つけたのです。
編集部より
近年では、「ペットは家族」という考え方から、ペットと一緒に眠れる樹木葬を希望される方が増えています。
施設によって共葬のルールや供養の方法は異なりますが、大切なのは、ご家族が納得し、「ここなら安心できる」と思える場所を選ぶことです。
お墓は、悲しい場所ではありません。
大切な家族との思い出を、これからも心の中でつないでいく場所でもあります。
ペットと一緒のお墓を選ぶ前に
- ペットと一緒に眠れるか確認する
- 将来の供養について説明を受ける
- ご家族で希望を話し合う
- 見学して雰囲気を感じる
- 「ここなら安心できる」と思える場所を選ぶ
このシリーズを通して
伝えたかったこと
コタロウは、私たちにたくさんの幸せをくれました。
そして最後に教えてくれたことがあります。
家族とは、一緒に過ごした時間だけではありません。
最後まで想い続ける存在も、家族なのです。
だから私たちは、
最後も一緒にいられる場所を選びました。
それが、私たち家族にとって一番自然な答えでした。
シリーズを最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
この物語は、実際によく寄せられるご相談をもとに再構成したフィクションです。
ペットと暮らす時間は、かけがえのない宝物です。
その大切な家族と、最後まで一緒にいられる選択肢があることを、この物語を通して知っていただけたら幸いです。
あなたにとって、
「家族」とは誰ですか?
言葉は話せなくても、
いつもそばにいてくれた存在。
毎日を笑顔にしてくれた存在。
その子が「家族」だと思えるなら、
最後の居場所についても、一度考えてみませんか。